【まちの概要】小さな町だと侮るべからず!交通アクセス良好な環境が魅力
栃木県の南部、宇都宮市のすぐ南に位置する河内郡上三川町(かみのかわまち)。面積は54.39平方キロメートルと小さな町ですが、交通の便はとても良好。上三川町西部の町境界線を沿うように南北に走る東北新幹線とJR東北本線、同様に北部の町境界線を沿うように走る北関東自動車道があります。北関東自動車道は、ちょうど上三川町と宇都宮市の境界線付近に宇都宮上三川インターチェンジを有しています。東北新幹線の駅は町内にはないものの、上三川町から2キロメートルほど南隣の下野市に入ったところにJR東北本線の自治医大駅が、同じく上三川町より100メートルほど左隣に入った壬生町には石橋駅があります。したがって、南北は鉄道アクセスが、東西は車でのアクセスが便利であることがわかります。
なお、町内の主要道路は南北に走る国道4号線と、それに接続する国道352号線です。町内中心部で国道4号線をクロスするようなかたちで国道352号線が接続しているかたちです。
2016年(平成28年)5月1日時点での人口は約3万1千人。国勢調査の結果によると、昭和後期より人口は増え続け、ここ数年の人口の増減についてはほぼ横ばいになっています。
2014年(平成26年)の統計によると、年間を通しての平均気温は14.2℃。最高気温の極値は37.3℃、最低気温の極値はマイナス7.6℃ですから、夏の暑さと冬の寒さの差があることが見て取れるでしょう。
上三川町はかんぴょうが特産品として知られています。かんぴょうの生産そのものは栃木県全体でもいえることなのですが、「干瓢ふくべ一刀彫り」は上三川町でも有名な工芸品として知られています。「ふくべ」とは、ゆうがお(かんぴょうの実)が自然乾燥することでできた結晶で、表面は木工品のように堅くなり、中はコルク状の空洞になったもの。外側に穴を開け、中をきれいにくりぬき、外側を日光彫などの彫り物で飾ったものが干瓢ふくべ一刀彫です。くりぬいた空洞部分は小物入れや墨入れとして古くから使用されていました。
【まちの歴史】国指定史跡・飛鳥時代から続いた役所跡が今も残る深い歴史
上三川という地名が使われるようになったのは、奈良時代以降ではないかといわれています。当時、河内郡内にあった三川郷という名称に由来しているようで、奈良時代には既に現在の「河内郡上三川町」の名に非常に近い地名が存在していたということになります。
上三川町の名の由来が奈良時代にあったと推測されるとはいえ、町の歴史は旧石器時代にまで遡ります。発掘調査でその時代の遺跡が発見されていますから、太古の昔からこの上三川で人々が生活していた歴史を知ることができます。
現在の「上三川町」が誕生したのは1955年(昭和30年)4月のこと。以来、60年以上現在の上三川町を保ち続けています。
「上神主・茂原官衙(かみこうぬし・もばらかんが)遺跡」は国指定文化財です。これは、飛鳥時代後期である7世紀の後半くらいから平安時代の初期である9世紀にかけて営まれた官衙(当時の役所)跡です。人名を刻んだ瓦が多く出土され、貴重な史跡として2003年(平成15年)に国史跡として指定されました。
【移住ポイント】「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で移住・定住先に選ばれる町づくりを
上三川町では、「上三川町まち・ひと・しごと創生総合戦略」として、この先上三川町が向かうべき方向性、住みよい町づくりや町の活性化について明確に打ち出しています。
基本目標には定住促進も含まれています。具体的には、空き家となっている土地・家屋の把握と空き家バンク等の設置、移住希望者とのマッチング支援を行う「空き家対策事業」、市街地の都市基盤整備の推進と町営住宅の長寿命化計画を行う「住宅・宅地の供給促進」、さらに上三川町に実家を持ち、その実家の近くで暮らすことを希望する人や町外からの移住・定住促進を図るための「定住のための住宅取得支援」の3項目。そして、これらだけでなく、子育て支援や教育環境の充実、雇用の創出、安心安全に暮らせる町づくりなどを掲げ、移住・定住先として選ばれる町づくりを積極的に進めているところです。
【ファミリー移住】一線を画したかゆいところに手が届く子育て支援が充実
上三川町では、子育てしやすい環境づくりにも積極的に取り組んでいます。
「赤ちゃん誕生祝金」は、市内に1年以上在住しているファミリーが第3子を出産した場合、1人につき20万円の誕生祝金を支給しています。
子育てはお金がかかるもの。それも、子供の数が増えれば当然かかるお金も嵩んでいきますから、この金額の祝金は子育てファミリーにとっては非常にうれしい事業ではないでしょうか。金銭面が理由で妊娠にいたることのできない夫婦でも、こうして町が支援をしてくれるのであれば積極的に検討できる材料になるでしょう。
また、自治体としては珍しく「病児保育」を行っています。これは、病気中のこどもを家で保育できない事情がある場合、病児保育施設にて保育を行ってもらえるものです。「病後児保育(病気やケガの回復期にあるこどもを保育する施設)」は比較的多くの自治体で行っているのですが、現在進行形で病気に罹っているこどもを保育してくれる「病児保育」を町として行っているのはとても貴重です。共働きの家庭が増える昨今ですから、こちらもやはりファミリー世帯にとってはとても助かる事業といえるでしょう。
【シングル移住】近隣と比較して安価な家賃がうれしい。ショッピングモールも程近い
上三川町の家賃相場は、1LDKで5.2万円です。参考までに近隣市の家賃を見てみると、1LDKの家賃相場は宇都宮市で6.1万円、真岡市・下野市でそれぞれ5.5万円ですから、かなり安価に賃貸物件を借りることが可能であることがわかります。駅周辺であれば日常生活を送るのに特に不便することはありませんが、それでもマイカーを所有しておいたほうがさらに便利に暮らせます。仮に町内では手に入れられなかったものが隣の宇都宮市で手に入る…ということもありますから、やはりマイカーは持っておいたほうがよいでしょう。賃貸物件には、おおむね駐車場が完備されているか、近隣に用意されています。
所在地としては宇都宮になりますが、北関東自動車道 宇都宮上三川インターチェンジを降りてすぐ、上三川町に隣接するかたちで大型ショッピングモール・インターパークがあります。また、町内には鬼怒川の清流があり、そこに沿うように緑地や公園もあります。休日はショッピングモールで過ごすのもよし、身近な自然を感じるもよし。都会に住んでいては選べないような休日の過ごし方があります。ゴルフ場も数多くありますから、新たな趣味を始めてみるのもいいかもしれません。
【おしごと】この地ならではの仕事についてみるのも。融資で創業支援を行う事業も
町内での就労については、一般的な業種・職種の求人募集は他の地域と大差なく行われています。ゴルフ場の運営管理や高速道路の料金収受、インターチェンジの監視などは地域性のある仕事といえるでしょう。ただ、車社会であることと近隣に大きな市があることから、マイカー通勤で町外へ出るケースも散見されます。
創業支援としては「上三川町中小企業事業資金融資制度」を行っています。これは、町内で創業後1年未満の商工業者など、一定の条件をクリアした対象者に設備資金を融資する制度です。創業するにあたって必ず必要になる運転資金ですが、これを集められないがために夢の実現が叶っていない人の救済ともいえる支援。ぜひ積極的に利用したいものです。